麻友の家に到着
麻友が家に到着し、リビングで母親にカメを飼ってもいいか尋ねた。母親は驚いた様子で、「本当に?急にどうしたの?」と尋ねた。
「学校帰りに見つけたの。放っておけなくて…」と麻友が答えると、母親は温かく微笑んで、「じゃあ、ちゃんと世話をしてあげなさいね」と許可した。
麻友はカメのケースがないことに気づき、急いでバケツに水道水を入れ、翔(カメ)をそこに入れた。翔は水道水に苦しみ、心の中で「陸も欲しい!」と叫んだが、麻友はその意図を理解していなかった。
麻友の弟が家に帰ってくると、カメの状況にすぐに気付いた。「姉ちゃん、このカメ、水だけじゃダメだよ。カメは陸も必要なんだ」と彼は言った。
「えっ、本当?知らなかった!」と麻友は驚き、慌ててインターネットで調べ始めた。
麻友は調べた情報を元に、翔(カメ)の住環境を改善し始めた。彼女はまず水道水のカルキを抜くために水を沸騰させ、冷ました後、バケツに入れた。
次に、バケツの一部に陸のスペースを作るために、小石と砂を用意し、バケツの一角に山を作った。さらに、カメが日光浴できるように、バケツの近くにデスクランプを置いて、適切な温度を保つようにした。
「これでカメちゃん、快適に過ごせるね」と麻友が言うと、母親も「良くできたわね」とほめた。弟も「姉ちゃん、すごいじゃん」と笑顔で言った。
翔(カメ)は、新しい住まいに安堵し、心の中で麻友とその家族に感謝した。彼はこの新しい環境で、少し安心して新しい生活を始めることができた。麻友との絆は、この小さな出来事を通じて確実に深まっていくのだった。
カメの名前決め
夕食の時間、麻友の弟が好奇心いっぱいに尋ねた。「姉ちゃん、そのカメどうしたの?どこで見つけたの?」
麻友は拾った状況を詳しく説明し始めた。「学校から帰る途中、道端で見つけたの。可哀想で、そのままにはできなくて…」
「へえ、じゃあ名前は?何かつけたの?」弟が興味深く尋ねる。
麻友は考え込んで、「まだ考えてなかったな…名前、つけてあげよう!」と言った。
弟の提案とカメの反応
弟がいたずらっぽく「じゃあ、ガメラってどう?強そうでいいじゃん!」と提案した。
その瞬間、翔(カメ)は不満そうに甲羅を動かし、頭を横に振った。彼はその名前に納得していないようだった。
麻友の提案
「ガメラはちょっと…」と麻友が笑いながら言い、「この子はもっと優しい名前が似合うよ。うーん、『ユウキ』はどうかな?希望って意味だし」と提案した。
麻友が「ユウキ」と名前を呼ぶと、翔(カメ)は嬉しそうに首を縦に振り、水面に顔を出して快く応じた。
「ユウキ、いい名前だね!」と弟も納得し、麻友の母親も「素敵な名前ね」と微笑んだ。
カメの新しい名前
「ユウキ、これからよろしくね」と麻友が優しく話しかけると、翔(ユウキ)は心の中で喜びを感じた。彼は新しい名前と共に、麻友の家での新しい生活を始めることになった。この名前が、彼と麻友との新たな絆の始まりとなるのだった。