- 父親 - 高島秀樹: 45歳、会社員。静かで本を読むのが好き。
- 母親 - 高島由美子: 43歳、パートタイムの仕事をしている。料理が得意で心配性。
- 兄 - 高島亮: 20歳の大学生。研究が忙しく、家にはあまりいない。
- 弟 - 高島勇: 15歳の中学生。サッカー部に所属し、活発な性格。
- 主人公 - 高島絵理香: 17歳の女子高生。探偵小説が好きで、観察力が鋭い。
夏のある日、絵理香が冷蔵庫からショートケーキを取り出そうとすると、それがなくなっていることに気づく。
絵理香「あれ?ショートケーキがない…」
絵理香は冷蔵庫の扉についているサッカーのステッカーを見つける。普段はここにはない。
家族が集まる夕食の時間。
絵理香「今日、冷蔵庫にショートケーキがなかったんだけど、誰か食べた?」 由美子「えっ、本当?昨日買ったばかりなのに…」 秀樹「僕は食べていないよ。」 亮「実験室にいたから、家にいなかったよ。」 勇「ぼくもサッカーの練習で帰りが遅かったから、食べてないよ。」
食事中、絵理香は勇のサッカーユニフォームについた小さなクリームの跡に気づく。
絵理香は家族が忙しく朝食を取る中、探偵としての観察を続ける。
絵理香「(勇のユニフォームにクリームがついてたけど、彼がケーキを食べた証拠にはならないわ…)」
絵理香は、ゴミ箱を調べると、ショートケーキの箱が見つかる。箱の中には、クリームが少し残っていた。
絵理香は家族をリビングに呼び出す。
絵理香「ショートケーキの謎を解くために、みんなに聞きたいことがあるの。」
勇「ぼく、本当に食べてないよ!」 秀樹「僕も食べていない。」 亮「実験室で忙しくて、家にはほとんどいなかったからな。」 由美子「私も食べてないわ。」
絵理香「でも、勇のユニフォームにはクリームがついていたし、ゴミ箱にはケーキの箱があった。それに、冷蔵庫の扉にサッカーステッカーが…。」
勇は少し動揺している。
勇「えっと、それは…」
突然、由美子が静かに話し始める。
由美子「実は、私が食べたの。でも、勇くんには内緒にしてほしくて…」
家族は驚く。
秀樹「由美子が?どうして?」
由美子「昨日、勇くんが練習から帰ってくるのが遅いと聞いて、彼のためにケーキを取っておこうと思ったの。でも、夜中に小腹が空いて、つい食べてしまったのよ。」
絵理香「じゃあ、ユニフォームについたクリームは…?」
由美子「それは、ケーキを取り出す時に手が滑って、勇くんのユニフォームに少しクリームがついてしまったの。ごめんなさい、勇くん。」
勇「え、それで僕が疑われてたの?」
由美子「ごめんなさい。私が全部食べちゃって。」
絵理香はニッコリと微笑んで言う。
絵理香「問題ないよ、お母さん。でも次からは正直に言ってね。」
家族は笑いながら、次に食べるケーキの話で盛り上がる。
絵理香「(謎は解けたけど、家族の絆はもっと深まった気がする。やっぱり、探偵ごっこも悪くないわね。)」